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日々成長していくかのよう、5種類の「荒粉引」の器。

白化粧と呼ばれる加工を施した「荒粉引」の器。ただの白ではなく、奥深い味わいの色合いで、白の向こう側が見えてくるような5種類の特別な器をご紹介します。

美濃焼の一大産地、岐阜県土岐市東部の山間にある駄知町で生み出され、ジャズの流れる工房で、のびやかに作られた器たち。
隅切菓子皿、たたら長角皿、片口盛鉢、とんすい、手づくりマグの全5種類の器は、どれも日常使いしやすいサイズ感。

長年使うことにより、器が育つように味わいを蓄積していく、器との出会い、そしてそんな暮らしに浸れる器です。

味わい深い、5種類

上段 左から
■隅切菓子皿:横151×縦129×高さ27mm
和菓子、洋菓子、副菜などのおかずに

■たたら長角皿:横305×縦116×高さ29mm
焼き魚、お刺身などに

下段 左から
●とんすい:横154×縦127×高さ50mm
鍋用のとんすい、汁物の副菜、和食、デザートなど

●片口盛鉢:横215×縦175×高さ73mm
煮物、サラダなど

●手づくりマグ:横135×口径110×縦78mm
200cc

「粉引き」とは

粉引き(こひき)とは「粉を引いたように白い」ことから付けられたネーミングで、100年単位で受け継がれてきた酒器や茶碗も存在し、何度も水分を吸って呼吸してきた器は、新品とは異なる風合いへと育つと言われています。

粉引きは、もとは赤い陶土を白く見せるために発達した技法で、素地に白い泥をかけ色を付けてから釉薬をかけることで独特の風合いを生み出しています。

※一品一品手作りしています。そのため、表情がひとつひとつ全て違い、多少の色味、サイズ、貫入、釉薬などの表面の仕上がりが異なりますので、あらかじめご了承くださいませ。

隅切菓子皿

アイボリーのような柔らかい風合いが魅力のこの器は、和食だけでなく洋食にも◎。
洋食器には出せない、和の“和み”を食器から味わえるティータイムは特別な時間になりそうです。

「隅切菓子皿」の個性的なデザインと趣きのある器は、もちろんおもてなしとしても好感度大。
ゆっくりとしたくつろぎを提供してくれます。

手づくりマグ

「手づくりマグ」はその名の通り、手作りの風合いを存分に味わえるマグ。しっとりとした品のいい艶、釉の流れや滲み、鉄粉など表情豊かに作られたカップで飲むドリンクはより味わい深いものになりそうです。

ぜひ、新茶やお気に入りの紅茶、特別なコーヒーなど、深呼吸とともに味わえるマグで1日の疲れを癒してあげてくださいね。

たたら長角皿

ディナーなどに活躍する角皿の「たたら長角皿」。
焼き魚はもちろん、お刺身やお寿司。カルパッチョやチーズなど和風から洋風まで幅広く使えるのは、シンプルだからこそ。
さらに、たたら長角皿には足があるので、テーブル上での高低差を感じられ、高級感も添えてくれます。

一つ一つ手作りされた、この器は素朴で温かみがあり、シンプルだけじゃ終わらない空間をも温かくさせる器です。

とんすい

「とんすい」は深さがあるので、鍋料理に取り分ける際に使うとんすいとして。
見た目だけでなく肌触りからも伝わる手作り感満載の器は、温かい鍋料理にぴったり。身体だけでなく心も温めてくれますね。

土を指先でつぼめた手作り感のある持ち手の形状が、他の器にはない個性的な印象を与えてくれ、より愛着が湧きそうです。

「とんすい」は鍋用としてだけではなく、副菜をいれる小鉢として使えます。
粉引きの質感と色味は、どんなお料理も引き立て、温かみと品を食卓に添えてくれます。

片口盛鉢

粉引きは、落ち着きのある和の風合いながら、洋食も並ぶ現代の食卓にちょうどいい和モダンの雰囲気を演出してくれます。

とんすいよりも一回り大きい「片口盛鉢」は、煮物、サラダやシリアルなどに◎。和食器の素朴な風合いと洋食との掛け合いを、ぜひ楽しんでみてくださいね。

始めて使う前に

粘土の上にお化粧をしたような風合いの人気の「粉引き」は、柔らかい焼き物で水分が染み込みやすく、染みになりやすい特徴があります。

なので、粉引きの器を始めてお料理に使う前には「おろす」作業が必要です。「おろす」とは、米のとぎ汁で約10分間煮沸し、そのまま冷まし水洗いしてください。そうすることで、器を長く綺麗な状態で使うことができるようになります。

日々のお手入れは、お料理を盛り付ける前に、水に十分浸して水分を含ませておくと、料理の汁気や脂気を吸いにくいので、染みになりにくくなります。
ですが、粉引きの器は、使い込んでいくと必ず染みを作っていきます。お料理と器が馴染む過程を楽しむ器でもあり、それもまた味となって愛着が湧いてくるんですね。

最後までご覧いただきありがとうございます。

「日本料理は、目で食べる」と言われるように、和食の見た目の美しさはまさにアートで無形文化遺産に登録されるほど。
その日本料理の見た目を良くさせるためには、料理を盛り付ける「器」もまた重要。一度の食事で、茶碗、汁椀、小皿、盛り皿、小鉢など、各食ずつ食器を使い、その器ごとに趣を感じられますね。

「荒粉引」の器は、日々育てていくようにお世話をし続けることで、より愛情が育まれていきます。粉引き技法の奥深い白色、それに映る斑点や使い続けることによりできる染みなど呼吸しているかのように、表情を変えていきます。

この器のためなら苦にならないそのひと手間の愛着感を大事にしてみてくださいね。私がこの器を手にした時、日本の美意識「わび・さび」が頭に浮かんできました。